四日市市のお客様より「屋根の瓦を葺き替えたい」とのご相談をいただき、今回の工事がスタートしました。築年数の経過に伴い、見た目の劣化や今後の雨漏りリスクを懸念されてのご相談でしたが、現地調査を実施したところ、当初想定されていた大屋根の和瓦よりも、下屋根に使用されていたU瓦の劣化が深刻な状態であることが判明しました。
U瓦は一時期多く採用された屋根材ですが、経年劣化によりひび割れやズレが生じやすく、防水性能の低下による雨水侵入リスクが高まる特徴があります。今回の現場でも、表面の劣化だけでなく、継ぎ目部分や納まりに不具合が見られ、このまま放置すれば雨漏りにつながる可能性が高い状況でした。
一方で、大屋根の和瓦は見た目の経年変化こそあるものの、直ちに雨漏りにつながる状態ではありませんでした。しかし、下屋根は建物の構造上、雨水の影響を受けやすく、また普段目に入りにくいため劣化に気付きにくい箇所でもあります。こうした点を踏まえ、まずは下屋根の改修を優先すべきであることを、お写真を交えて丁寧にご説明させていただきました。
お客様にも実際の状況をご確認いただいた結果、「見えない部分こそしっかり直したい」とのご判断をいただきました。また、「どうせ足場を組むなら一度でしっかり直したい」とのお考えから、大屋根も含めた全面葺き替え工事としてご依頼いただくこととなりました。
工事はまず、安全確保と作業効率向上のため足場の組立からスタートしました。今回の建物は屋根勾配も考慮する必要があったため、作業性を確保した足場計画を行い、安全第一で準備を進めました。
続いて既存の和瓦およびU瓦の撤去作業に着手。瓦を一枚一枚丁寧に撤去し、下地の状態を確認したところ、一部に劣化や傷みが見られたため、必要な箇所は補修・補強を行いました。屋根工事においては、この下地処理が仕上がりと耐久性を大きく左右する重要な工程です。見えなくなる部分だからこそ、手を抜かず確実に施工することが長持ちする屋根につながります。
下地施工完了後は、防水紙(ルーフィング)を敷設し、その上から新しい屋根材であるガルテクトを施工しました。ガルテクトは金属屋根材の中でも特に軽量でありながら高い耐久性を持ち、断熱性・遮熱性にも優れているのが特長です。既存の瓦屋根と比較して大幅な軽量化が可能なため、建物への負担軽減や耐震性の向上にも寄与します。
施工にあたっては、ケラバや軒先唐草、棟といった細部の納まりにも細心の注意を払い、雨水の侵入を防ぐ確実な施工を行いました。これらの部位は雨漏りの原因となりやすい重要ポイントであり、見た目以上に技術力が問われる部分です。
屋根本体の施工完了後は、破風板および鼻板の塗装工事を実施。これらは屋根の端部に位置し、雨風や紫外線の影響を直接受けるため、定期的なメンテナンスが必要な部位です。今回の工事では屋根とあわせて塗装を行うことで、外観の美しさだけでなく耐久性の向上も図りました。
すべての工程完了後、最終確認を行い足場を解体。無事に工事を完了することができました。
今回の工事では、当初のご要望だけでなく、現地調査に基づいた最適なご提案を行うことで、より安心・安全な住まいづくりにつなげることができました。特に、見えにくい下屋根の劣化に早期に気付き、適切なタイミングで対処できたことは、大きなポイントだったといえます。
屋根は普段なかなか意識することの少ない部分ですが、住まいを守る上で非常に重要な役割を担っています。だからこそ、見た目だけでなく、構造や劣化状況を正しく見極めたうえでの施工が大切です。
今後もお客様に安心して長くお住まいいただけるよう、一件一件丁寧なご提案と施工を心掛けてまいります。